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労務通信

社会保険上の扶養と税務上の扶養について

今回は年末調整の時期になりましたので、年末調整の際に確認することが多い社会保険上の扶養について解説いたします。
一口に”扶養”といっても大きく以下のものが上げられます。

①税法上の扶養
⇒ 主に家計を支える納税者の配偶者や親、子供などで1月から12月までの年間の所得額が48万円以下の場合に納税者の所得から一定の金額を控除出来るという制度です。
こちらは「103万円の壁」とも言われ、給与の1月から12月までの年間収入が103万円を超えないことが主な条件になっております。
ですが、2020年の法改正により例外的に配偶者の場合は、給与年収が201万円以下でかつ納税者本人の合計所得が1,000万円以下という条件を満たすと配偶者の年収に応じた所得控除が受けられます。

②社会保険上の扶養
⇒ 主に家計を支える方(被保険者)が加入する健康保険や厚生年金の被扶養者になる、ということを指します。
そのための被扶養者の条件は下記の通りです。(2と3はどちらかになります)

1、被保険者とその配偶者の3親等まで、もしくは事実婚など同一生計の事実がある人
2、被保険者と同一世帯で、年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、180万円未満)であって、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満である人(例外的に2分の1を満たさない場合でも認められる場合があります)
3、被保険者とは別世帯で、年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、180万円未満)であって、かつ被保険者からの援助による収入額よりも少ない人

①、②ともに年間収入によって、扶養に該当するかどうかが決まるということですが算定の仕方は違っています。
①税法上の扶養については、年末調整や確定申告の際に実際の被扶養者の年間収入を計算して、扶養に該当するか判断されます。
一方、②社会保険の扶養はあくまでも被扶養者に該当する時点及びそれ以降の見込みの年間収入がいくらかによって判断します。具体的には、月額108,333円以下などです。

また、①税法上の収入には税法上の所得税の対象となるもののみが含まれるため、傷病手当金や出産手当金、雇用保険の失業等給付は含まれません。
ですが、②社会保険の上の年間収入には、傷病手当金や出産手当金、失業等給付、公的年金も含まれますので注意が必要です。

その他にも、特定適用事業所にお勤めの短時間労働者(週20時間以上の労働等、一定の要件を満たす者)の健康保険、厚生年金保険の適用対象者が拡大されていますのでこちらについても確認が必要になります。

従業員様からの質問や確認が多い事項ですが少々判断が難しいかと思いますので、専門家に相談することをおすすめ致します。
スズカ社会保険労務士法人でも、労務顧問プランなどをご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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